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2021.04.05

あなたはペットとお墓に入りますか?令和時代のペット供養はどのように行われるべきか調査

暮らしのお困りごとを解決する総合プラットフォーム「生活110番」を展開するシェアリングテクノロジー株式会社(本社:愛知県名古屋市中村区、代表取締役 CEO:森吉 寛裕、以下シェアテク)は、運営するペット葬儀サービス「ペトリィ」において、「ペット供養のスタンダードは?」というテーマでアンケート調査を実施しました。
      
2021年3月に行った「【調査】ペットのお墓参りってみんなはどうしてる?アンケート調査から見えた実態について」というアンケート調査において、ペットのお墓参りは遺族たちが「自分たちがいいと思ったタイミングで、自分たちがいいと考えた多様なやり方」で行われていることが確認できました。

ではお墓参りだけでなく、「ペット供養全般」に関してはどうでしょうか?本稿では、「葬儀・告別式」、「葬送方法」、「お墓」の三つを中心に、犬・猫を飼っている/飼ったことがある761名に対し、ペット供養のスタンダードを探るアンケート調査を行いました。

■ペットの葬儀・告別式を「必要」と考える人は7割超
まずはペットの葬儀・告別式の形式についてアンケートを行いました。

▼望ましい葬儀・告別式の形式は?

(n=761名、単一回答。2021年3月22~23日に実施したインターネット調査による)

全体を見ると、「個別葬」の形式が望ましいと考えている人が61.5%となり最も多く、合同葬の11.6%を加えると、ペットの葬儀・告別式を執りおこなうことが望ましいと考える人が73.1%となります。
ペットが亡くなったときに葬儀や告別式をして供養することは、もはやスタンダードと言える水準のようです。

次に、これを年代層別にクロス集計しなおしたところ、次のような結果となりました。

▼ペットの葬儀・告別式は「必要」だと考える人の年齢層別割合

(n=131、「お墓は必要ない」と回答した者のみ。2021年3月22~23日に実施したインターネット調査による)

おおむね年齢層が若くなるにつれて「必要」だと考える人がやや多くなる傾向が見られます。

では、ペットの葬儀・告別式が必要だと考えている人はどういった葬儀・告別式をイメージしているのでしょうか?望ましいペットの葬儀・告別式のイメージを深掘ってみることにしました。

▼葬儀・告別式にどこまでの参列者を含めるべきか?

(有効回答数577票、「個別葬」および「合同葬」を選択した者。2021年3月22~23日に実施したインターネット調査による)

▼僧侶の参加および読経の必要性

(有効回答数578票、「個別葬」および「合同葬」を選択した者。2021年3月22~23日に実施したインターネット調査による)

▼必要だと思うお供え物

(有効回答者数556人、複数回答。「個別葬」および「合同葬」を選択した者。2021年3月22~23日に実施したインターネット調査による)

まず参列者では「家族だけ」の葬儀を望む人が圧倒的(89.3%)に多くなりました。
一方で「僧侶や読経」を必要と考える人が約4割にものぼることや、「お花」(96.1%)や「線香・ローソク」(79.0%)、「食べ物」(65.5%)のお供え物が必要だと思う人は過半数を大きく超えています。亡くなったペットとは、「家族だけで手厚くお別れをしたい」という意向がうかがえます。言い換えれば、ペットの葬儀・告別式に対しては、人間でいうところの「家族葬」や「直葬」に近い意向をもっている人が多いとも考えられます。

■ペットの葬送方法として「土葬」は過去のものに
葬儀・告別式に続いて、ペットの葬送方法についてもアンケートを行いました。

(n=761名、単一回答。2021年3月22~23日に実施したインターネット調査による)

高度成長期以前は、ペットの葬送方法は人間と同様に「土葬」だったと考えられますが、今回のアンケートではペットの「土葬」(17.0%)ももはや一般的とは言えない葬送方法といえる結果となりました。
(参考:関沢まゆみ「火葬化とその意味 : 「遺骸葬」と「遺骨葬」: 納骨施設の必須化」2015年、国立歴史民俗博物館 第191集 P91~136 )

一方で、土葬に代わって「火葬」は83.0%に達しており、現代日本のペットの葬送方法のスタンダードは「火葬」と言ってしまっていいようです。
さらに「火葬」を選択した人に、火葬をおこなうのに望ましい場所について聞きました。この結果は「葬儀・告別式」をおこなう場所との対比でみることにします。

▼ペットの火葬を行う場所

(有効回答数616票、「火葬」を選択した者。2021年3月22~23日に実施したインターネット調査による)

▼ペットの葬儀・告別式の実施場所

(有効回答数587票、「個別葬」および「合同葬」を選択した者。2021年3月22~23日に実施したインターネット調査による)

「葬儀・告別式」は「自宅および自宅周辺」と回答した人が40.9%と最多でしたが、火葬の場所では「墓地や霊園」(77.4%)が圧倒的となりました。「移動式の火葬車」なら自宅や自宅付近で火葬をおこなえる可能性があるのにも関わらず、です。このことは人間の「火葬」のイメージが影響している可能性が考えられそうです。つまり「自宅や自宅付近」の式場で葬儀・告別式をおこなったのち、やや遠方にある「火葬場」まで行って火葬をおこなうというイメージです。そうした「葬儀・告別式は来るもの」であり、「火葬は行くもの」というイメージが、望ましいペットの火葬場所にも影響を与えているのかもしれません。
また、火葬後の遺骨の扱いに関しては、「返骨」を希望する人が同じく約8割を占めました。

▼火葬後の遺骨が返骨されることを希望するか?

(有効回答数616票、「火葬」を選択した者。2021年3月22~23日に実施したインターネット調査による)

こちらに関しても人間の「火葬観」が色濃く認められるようです。

■ペットのお墓は「家族の墓」からさらに一歩進むか?
先ほどの返骨では希望する人が圧倒的に多い結果となりましたが、ではペットの遺骨を納めるお墓はどのように考えられているのでしょうか?

▼ペットのお墓はどうありたいか?

(n=761名、単一回答。2021年3月22~23日に実施したインターネット調査による)

全体を見るとペットのお墓は必要だと考えている人は82.8%を占め、なかでももっとも多かったのは「自身の墓に一緒に入りたい」(32.1%)でした。最近ではペットの遺骨を人間のお墓に埋葬することを認める霊園・墓地も増えてきていますが、とはいえまだまだ少数派です。ペットの理想的なお墓像と、霊園・墓地の現状には隔たりがあるようです。

また、男女別でこのアンケート結果をクロス集計しなおした結果は下記です。

(n=761名、単一回答。性別によりクロス集計。2021年3月22~23日に実施したインターネット調査による)

注目したいのは、「自身の墓に一緒に入りたい」と答えた男性は25.3%だったのに対し、女性は34.8%と9.5ポイントの開きが見られたことです。つまりペットと同じお墓に入ることに対して柔軟に考えている人は女性のほうがかなり多いといえます。このことは2014年に(株)第一生命経済研究所が行った調査と照らし合わせると興味深いです。
その調査では、「現在の配偶者と同じお墓に入りたいか?」という質問に対して、

(引用)
性別にみると、「入りたい」と回答した男性は 64.7%いたのに対し、女性では 43.7%と半数を下回った。(株)第一生命経済研究所「偕老同穴、今は昔?」2015 http://group.dai-ichi-life.co.jp/dlri/ldi/watching/wt1502b.pdf (参照 2021-3-27日)

つまり、それまでの家制度をベースにした「先祖から代々継承されていく家のお墓」という感覚に対して、「見知らぬ夫の先祖たちと一緒に眠ること」への違和感を覚える女性が多いということなのですが、墓を「死後の住居」と捉え、死後、誰とどんな墓に入るかを考えることがライフデザインの重要事項とさえなってきているという意識変容が同レポートでは指摘されています。
そこに本調査の「ペットと同じお墓に入る」ことを希望する女性が多いことを見ると、お墓の概念は「家族のお墓」からさらに「人間を超えた家族のお墓」へと、女性が先行するかたちで一歩先に進みつつあるのかもしれません。

■そのほかのペット供養に関するアンケート
これまで葬儀・告別式、葬送方法、お墓という観点で理想像を見てきましたが、最後にそのほかの供養についても調査しました。

▼ペットの供養として必要だと思うもの

(n=761名による複数回答。2021年3月22~23日に実施したインターネット調査による)

結果ははっきりと二極化し、骨壺、遺影、お墓参り、エンゼルケアは約半数の方が必要と考えていますが、一方で位牌、仏壇、お通夜、法要、戒名については80%以上の方が不要と考えているようです。

■まとめ
これらアンケート結果の最多回答をまとめると、現在の日本におけるペット供養のスタンダードは次のようなものであると推測できます。

「ペットが亡くなったら、家族だけが参列する葬儀・告別式を行い、遺体は火葬にし、遺骨はペット用のお墓に入れる」

一方で、「ペットのお墓観」に関しては、「ペットはペット用のお墓に入るべき」と考える人が意識変容を起こす可能性が感じられ、もしペットが人間用のお墓に入ることを認める墓地・霊園がさらに増加していけば、「ペットも家族なのだから、家族のお墓に入るべき」と考える人の割合があがってくるかもしれません。

▼回答者属性
・回答条件 犬・猫を飼っている/飼ったことがある方

・男女比
男性 29.0%
女性 71.0%

・年代分布
10代後半 1.7%
20代前半 8.8%
20代後半 11.6%
30代前半 18.8%
30代後半 14.1%
40代前半 14.8%
40代後半 12.6%
50代前半 9.9%
50代後半 4.3%
60代以上 3.4%

▼関連サイト
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