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新米エンジニアに伝えたい英語学習の考え方

はじめまして。Kaiです。

大学院で生物学を専攻した後に、オーストラリアでギタリスト、京都で高校の生物学講師を経て、エンジニアになりました。

元々、言語に興味があり、色々調べていった中で、プログラミング技術を用いた自動翻訳、いわゆる機械翻訳に興味を持ったことがきっかけで、プログラマーになろうと思いました。

趣味は、音楽、釣り、洋書多読です。

 


プログラミングなどのIT技術は、日進月歩の進化を遂げていて、ほんの2、3年でもトレンドがガラリと変わってしまうなんてこともよくある話です。

そのような業界において一番に求められることは、自学自習の精神であり、必要な情報を自分で収集し、自分の糧にする姿勢、と言っても過言ではありません。

新米プログラマーの懸念点に必ずと言っていいほど上がるのが、情報収集の際に1つのネックになりうるスキルで、度々、現場でも要不要論が勃発しかねないのが、「英語力」です。

私自身は、とても英語に親しみを感じている人間であり、趣味で洋書を読むようにしているので、プログラマーとしての実務の中で、英語であまり苦労したことはありません。

しかし、もし、英語に全く馴染みのない新米エンジニアが、英語のドキュメントをスラスラ読めるようになりたい、どうすれば良いかと尋ねられれば、僭越ながらもこう答えるでしょう。

「苦難の道なので、まずはプログラミングやコンピューターサイエンスの勉強をしたほうがいいですよ」と。

「英語ができるようになる」ための勉強は低コスパ

まず、英語力というのは、それだけで1つの独立した技術だと思います。

そして、ただ単に暗記すれば良いというものでもなく、身につけるのに膨大な反復練習が必要です。

反復練習の末に、脳内で神経細胞の新たなネットワークを構築して、英語に対して反射的に反応できるようにならないと、英語を自由自在に操る、なんて土台無理な話だと思います。

もちろん、帰国子女や、若い時分に猛勉強した経験がある人を除いては、の話ですが。

ですから、いきなり「英語ができるようになる」ための勉強を始めようとすると、個人的には、とてもコスパが悪いという風に感じてなりません。

しかし、日本における英語教育はある意味とても優秀で、例え、英語にそれほど馴染みのない日本人が英語圏に渡り、他国の留学生がひしめく語学学校に入ったなら、(コミュニケーション能力はさておき)大抵の場合、文法力は圧倒的に優位な立場に立てるでしょう。

このような英語学習のための下地があるので、目標を明確にして、戦略をきちんと立てれば、幾ばくかはその道のりも容易くなるのではないかと思います。

そこで、(あくまで私見になりますが)そのための指標を提案させていただこうと思います。

翻訳家とエンジニアにリスニング力は不要

まず、「英語のドキュメントが読める」ということを、目標にしましょう。

その手段としてTOEIC ®を勉強するというのは、遠回りになってしまいます。

なぜなら、TOEIC ®で必要とされる「リスニング力」なんてドキュメントを読むのには余分だからです。

「いや、英語を学ぶのに4技能は必要」というご意見もあるかもしれません。

しかし、一昔前の往年の翻訳家の方が、ついに長年の夢であったニューヨークのバーで、カクテルを一杯楽しもうかという時に、バーテンダーが何を喋っているかは少しもわからなかった、なんていう話もあります。

「読む」ことのスペシャリストでさえこうだったのです。

必ずしも4技能を揃えている必要はありません。
あくまで、「読む」ことに重点を置いたほうが良いかと思っています。

我々エンジニアの「英語ドキュメントを読めるようになる」という目的に対して、「翻訳家」の目線はどうやら近しいのでは、と思えないでしょうか。

とある別の翻訳家の方が、ある言語を翻訳できるようになるには、基本語3,000語の暗記と基本文法の習得が必要だ、と著作で書かれていました。

我々日本人は、比較的英単語と英文法の知識に秀でているので、幾分かは労力が軽減されると見て良いかと思いますが、ここは最低限の労力を費やすべきところだと思います。

※TOEICはエデュケーショナル・テスティング・サービス(ETS)の登録商標です。

 

英語学習よりIT技術の基本から

さて、ここで、冒頭部分で、なぜ「英語のドキュメントを読める」ようになるのに、プログラミングやコンピューターサイエンスの勉強を勧めたのか、という話になります。

昨今、英語学習において、様々な方法論が声高に叫ばれていて、その中にも「子供が初めて言葉を覚えるように」というものもありますが、

子供の神経細胞の形状が我々大人と大きく異なるという事実を鑑みて、「もはや成すすべなし」と嘆く方もおられるかもしれません。

しかし、そんな柔軟性に富んだ子供より、大人には語学学習における長所があります。
それは「概念」の理解です。

子供がいかに早く外国語を習得できるといっても、IT技術の理解は容易でないでしょう。

むしろ、我々大人の場合、それまでの学習や人生の経験から、「なるほど」と合点が行くことが多いと思われます。

日本語ネイティブの子供が日本語で書かれた専門書を目にしたらどうでしょうか?

その一方で、もし、大人がある程度IT技術の知識があり、昔習った英語の知識をもとに、辞書を引きつつも、文章を読んでいく場合と、どちらが真の意味で情報を正確に理解することができるでしょうか。

 

以上のことから、まずはIT技術の基本を押さえ、
そのあとに、英語の学習を始めてみることをおすすめします。

もし不安があれば、自分が学んだ内容が英語で書かれている文章を見つけて、読んでみると良いでしょう。

この記事を書いた人

Kai

システム企画開発部 テクニカル課

毎日ギター弾いて、読書して、英語の勉強して、週末は魚釣りに行くというルーティンが、高校生の時と変わらない。多分チャレンジ精神も昔と変わらない。 何事もチャレンジと思っていたら、なぜかエンジニアに。